はじめに
※本記事には『モアナと伝説の海』のネタバレを多く含みます
※続編『モアナと伝説の海2』のネタバレ情報はありません
〜 初見の感想とその後の変化 〜
みなさん、こんにちは!
ディズニー映画 魅力発掘隊のミンキーです!

今日も2016年公開の『モアナと伝説の海』について語っていくよ!
前回の記事では、ディズニー映画『モアナと伝説の海』の概要について詳しく紹介しました。
ディズニーにしか表現できない美しい映像に、魂に届く素晴らしい音楽に惹きこまれる、素晴らしい作品ですね!

うーん・・・

ん?
リスキーくん、どうかしたの?

『モアナと伝説の海』を観てみたんだ!
確かに映像や音楽はすごかったけど…
よくわからないところも多かったよ…

確かに!
観てみると疑問もいくつも浮かんだクマー!
「映像」と「音楽」がすごい!という印象が強かったからこそなのか、
私が初めてこの映画を観たときの正直な感想は、「ありきたりな物語だな」というものでした。
旅立ち、試練、仲間との衝突、そして自己発見――ディズニー映画でよく見るおなじみの展開に思えたんです。
嘘偽りなく言えば、「またこういう展開かー」と感じてしまいました。
…ところが、映画公開から7年経った今。
続編を観るにあたって改めて前作『モアナと伝説の海』を観てみると…

…あっ、ここのセリフはそういう意味だったのか!
ここのシーンからこんな解釈もできるな…
わ、すごい、面白い!!!!!!!!!
なんとなくで観ているとわからなかったストーリーの解釈ができ、初見時には気づけなかった多くのことにも気づくことができました。
「ありきたりなストーリー展開」だなんて印象でこの作品を片付けてしまっていた自分を
思いっきり殴り飛ばしてやりたいと思うほどの衝撃です。

モアナ、最高の作品じゃん!!!!!
今回は、そんな私の初見時の印象や、当時抱いた疑問点について詳しく掘り下げていきます。
もしかすると、『モアナと伝説の海』を観て、同じような印象を持った方がいるかもしれません。
私と同じような疑問や不満、消化不良の部分を感じてこの映画の評価を低いままにしている方がいるのなら、ぜひ読んでほしいと思います。

きっとあなたもこの作品のことが大好きになる!
映画鑑賞に慣れていたり、感性が鋭かったりする方は、1回の鑑賞でこれらの魅力に気付けたことでしょう…。
うーん羨ましい!
私は勘が鈍い&察しが悪いタイプなので、時間がかかってしまいました…。
そんな私と同じようなタイプの人たちにとって、少しでも気づきのある記事にできたら幸いです(^^)
- 作品の概要
- 初見時の印象と疑問 ←(この記事)
- モアナの成長と変化
- マウイの成長と変化
- 「海」の変化
- 音楽の魅力
- 映像の魅力
- その他の登場人物
- 物語の終わり&次回作へ
- 作品の疑問点
初見時の印象
1. 映像と音楽の素晴らしさ
まず最初に感じたのは、なんといっても「映像」と「音楽」の圧倒的な美しさと迫力です。
南国の海のきらめき、波の動き、透明感、海の恐ろしさ。

まさに現実の海を越えた美しさ!!!!
当時、水の表現がここまで進化しているのかと、驚愕したことをよく覚えています。
また、なんといっても音楽が名曲ばかり!!
特に、劇中歌「How Far I’ll Go(どこまでも)」は伸びやかなサビが気持ちのいい曲で、この映画を観ていなくても曲は知っているという方も多いでしょう。
モアナの旅立ちへの決意が力強く表現されていて、大好きなディズニーソングのうちのひとつです。

ちなみに、僕が初めてこの映画を観たとき
一番印象に残った曲は本作のヴィランズソング
タマトアの「Shiny(シャイニー)」!
映像と音楽がマッチした最高のシーンだね!
2. どこか既視感のあるストーリー
映像と音楽に魅了された反面、物語の展開については「王道すぎる」と感じたのが正直なところです。
モアナが自分の使命に目覚め、相棒となるマウイと衝突しながらも、困難を乗り越え成長していく――
この流れ自体はとても魅力的ですが、どこかで見たことがあるような印象を受けました。

同じような展開を他にも見たことがあったような・・・?
特に、『モアナと伝説の海』が公開される3年前の作品、『アナと雪の女王』が持つ「本当の自分と向き合う」というテーマと似ている部分があるように思えました。
『アナと雪の女王』では、エルサが長年抑えてきた自分の力を解放し、ありのままの自分を受け入れるまでの様子が描かれていました。
一方、『モアナと伝説の海』でも、作中でモアナが「私はモアナ!」と歌う姿が最も盛り上がりのある場面で描かれており、「自分の本当の姿を見つける」ことが大きなテーマとなっていると感じました。
もちろん、似たテーマを扱っていても作品ごとのアプローチは異なっていることはわかります。
しかし、初見時は『アナと雪の女王』が大ヒットした直後だったこともあり、「またこのパターンなのかも?」と感じてしまったのかもしれません。

アナ雪も大好きな作品だけど
初めてモアナを観たときは
どうしても「アナ雪と似てるなー」って感じちゃったんだ…
また、モアナの旅の展開も、ディズニー映画でよく見られる流れと重なる部分がありました。
- 幼少期の特別な体験(海との出会い)
- 運命に導かれた旅立ち(村を救うための航海)
- 自信を失う瞬間(マウイに見放され、使命を諦めかける)
- 本当の自分に目覚める(「私はモアナ」と宣言する場面)
ディズニー映画では、このような「自己発見の物語」が頻繁に登場します。
『リトル・マーメイド』のアリエル、『ムーラン』のムーラン、『アラジン』のアラジンも、それぞれのやり方で「自分の本当の姿」を探し求めています。
そのため、『モアナと伝説の海』もまた、同じディズニーらしい展開を踏襲している作品だと思ったのです。
このときはまだ、「モアナにとって本当の自分とは何か?」ということを全く理解できていませんでした。
作品のテーマの根幹となる、モアナが探し続けていた「本当の自分」という部分がぽっかり空いてしまっていたからこそ、私はこの映画の本当の魅力に7年間も気づくことができなかったのかもしれません。

モアナにとっての「本当の自分」って?
なぜモアナは「本当の自分」に気付けたの?
これに気付けたとき、この作品の深みが
一気に増したように感じたよ!
3. 物語に対する疑問点
また、観終わった後に「あれはなぜだったんだろう?」と感じる点がいくつかありました。
私が特に気になった3つの疑問点について紹介します。

ここでは、初めてこの作品を観たときに感じた
疑問をあげるだけにしておくよ!
物語をどのように解釈したら疑問が解消されるのかについては
次の記事から詳しく書いていくね(^^)/
初見時に感じた3つの疑問
「私はモアナ」の意味とは?
マウイがモアナのもとを去った後、モアナは「マウイを連れて海を渡り、テ・フィティへ心を返す」という使命を諦めかけます。
しかし、そこで祖母タラによる助言を受け、先祖の魂を目にすることによって、再び勇気を取り戻します。
そして、作中最も盛り上がりを見せる有名なシーン、「私はモアナ!」と叫びながらテ・フィティの心を取り戻すために海へ潜ります。

DisneyMusicJapanVEVO Youtube
Mari Natsuki, Tomona Yabiku – モアナ (From “Moana”)
このシーンは美しく幻想的な映像と力強い音楽、歌声も相まってとても感動的でしたが、初見時にはこのシーンの意味をほとんど理解はできていませんでした。

映像も綺麗だし音楽も迫力あるし歌声も最高ー!
なんだかよくわからないけどめちゃくちゃ感動するクマー!

そう、確かに感動はするんだけど…
この時モアナは何を感じて、なぜ前向きになれたのか
イマイチよくわかってないんだよね…
- なぜ「私はモアナ」と叫ぶことで勇気が湧いたのか?
- 彼女はそれまで「自分を押し殺して生きていた」わけではないのに、なぜ「本当の自分を見つけた」ような描写になるのか?
- 『アナと雪の女王』のエルサのように、過去の抑圧から解放される話ではないのでは?
マウイはなぜ戻ってきたのか?
物語のクライマックスで、テ・カァに立ち向かったマウイは激しい攻撃を受け、神々から授けられた釣り針が半壊してしまいます。
彼にとってとても大事な釣り針。
マウイは釣り針を完全に失ってしまうことを恐れ、モアナを置いて去っていきます。
しかし、モアナがテ・カァに立ち向かう場面では、彼は突然戻ってきて、テ・カァの攻撃から彼女を助けます。

あのシーンでマウイが帰ってきてくれてホッとしたクマー!
あそこでマウイが来なければモアナは無事じゃなかったクマよ!

だけど、マウイはどうして戻ってきてくれたんだろう?
別にモアナとの和解シーンなんてなかったのに…
- モアナのもと去った後、マウイの心境の変化はどこで起きたのか?
- マウイにとって、釣り針を失わないようにするよりも重要なことが何かあった?
- マウイはなぜモアナのために命を懸ける決意をした?
この部分が当時はしっくりこず、「唐突な展開だな」「まあご都合展開かな」なんて思っていました。
(今となってはそんな自分をぶん殴りたい)
海の存在は何だったのか?

「海」ってなんだか中途半端にモアナを助けてるクマね…
もっと手助けしてくれれば、モアナももう少し簡単に
世界を救うことができたクマよ!!

結局、「海」がしたいことがよくわからなかったよ…
この映画での「海」ってどんな存在だったの?
『モアナと伝説の海』でとても特徴的なのは、「海」が登場キャラクターとして描かれていること。
完全な自然物というわけではなく、何かしらの目的をもった存在として描かれています。
セリフこそないものの、動きや行動から、意志や感情をもった存在であることは明らかです。
映画の冒頭で、モアナは幼い頃から「海に選ばれた存在」であるということが示されます。
しかし、実際に物語が進むと、「海」はモアナを完全に守るわけではなく、全く手助けを行わない場面があったり、時には彼女の命を危険にさらしたりしているようにも見えました。

モアナが初めてサンゴ礁から出たときのシーンは
海の恐ろしさが生々しく伝わってきたよ…

マウイと出会う前に嵐に見舞われる場面も
「海」はモアナに容赦なかったクマね…

テ・カァが投げてくる火球を防いではくれたけど
それができるならもっとできることはありそうじゃない?
それこそ海がテ・カァに全力で突進してくれれば簡単に勝てたのに…
- 「海」がモアナを助ける時と助けない時があるのはなぜ?
- そもそも「海」は意志や感情を本当に持っている?
- 「海」が本当に求めてることは?
初見当時は、「海の役割が中途半端では?」と感じました。
どうしても、『アナと雪の女王』で氷を自在に生み出すエルサのように、自在に波を操る魔法をモアナが使うことを期待していたのかもしれません。
「海」の存在の謎は、初見時、強く印象に残りました。
初見時の総評
以上のような疑問点から、私は初見時には「ストーリーはいまいち心に響かなかったな~」と感じました。
ビジュアルと音楽は非常に素晴らしかったものの、物語の展開には「ご都合主義」に感じてしまう部分があり、どうしても感情移入しにくかったのです。

そんな印象の作品だったけど
続編の公開をきっかけに見直してみると
これまで気づけなかったことに気付いて、
作品への評価がまるっきり変わったんだ!!!!
- 作品の概要
- 初見時の印象と疑問 ←(この記事)
- モアナの成長と変化
- マウイの成長と変化
- 「海」の変化
- 音楽の魅力
- 映像の魅力
- その他の登場人物
- 物語の終わり&次回作へ
- 作品の疑問点
次回の記事からは、
- これらの疑問がどのように解消されたのか?
- どんな気づきを得たのか?
- なぜこの作品への評価がガラリと変わったのか?
といった点を詳しく解説していきます!
まずは主人公の少女「モアナ」に焦点を当てて、この作品の魅力に迫ります。
『モアナと伝説の海』は、内に秘めるテーマや登場人物の思いに気付くことで、印象が大きく変わる作品です。
まだ一度しか観たことがない方は、ぜひ再鑑賞してみてください!
そして、もし皆さんも「最初はピンとこなかったけど、見返したら印象が変わった」という経験があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!(^^)/
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